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まるごと切り替えよう - Anker KVM Switch

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職場では Windows デスクトップと Mac を切り替えて使っている。そこで USB スイッチャを使ってキーボードを共有して使っている話を以前書いた(→ 2019.4.30)。

当時は Mac 側は iMac だったのでそれぞれのディスプレイが両隣に並んでいる状態で USB スイッチャでキーボードを切り替える使い方をしていたのだけど、その後は環境が変わり Mac mini とウルトラワイドディスプレイに変更。そのディスプレイを Windows マシンと共有して使うようになった。

そうなると USB のスイッチャでは役不足(誤用)となる。両 PC の行き来をするたびに USB のスイッチとディスプレイの入力を切り替える二重の手間が発生して思考が途切れるようになってしまったのだ。そろそろ KVM(Keyboard, Video, Mouse)スイッチを買って丸ごと切り替える運用を検討してもいい時期かもしれない。

…そんなところであの Anker からこのジャンルの製品が出てきた。これは先に海外で発売された話をちらっと耳にしてはいたのだけど当時はあまり気にしていなかったのだ。急いで海外レビューに目を通すぐらいしか情報収集できなかったけど Anker がよくやる発売記念の特価にまんまと飛びついてしまったよ。

二種類の製品

製品としては「For Dual ノートPC」と「For デスクトップPC & ノートPC」の二種類がある。ここでいう「ノート PC」は USB-C 一本での接続を指していて電源も供給してくれる。逆に「デスクトップ PC」というのは USB-A や DisplayPort or HDMI で接続する PC を指しているようだ。

自分が購入したのは後者の「デスクトップ PC」をサポートしている製品。

どちらの製品も USB-A、USB-C のほか映像出力用に DisplayPort、HDMI を備えていて柔軟性が高い構成となっている。これがアクティブな PC に前述のポートを介して出力される。要するに 2 台の PC に対してケーブルを差し替える作業をボタン 1 つで実現できる時短アイテムである。

本体の質感

本体はシルバーカラーだけど実際はプラスチックベースとなっていて、CalDigit の Thunderbolt ハブみたいな金属製のずっしり感を想像していると拍子抜けする軽さだ。上面は透明感のある仕上げになっていて光の当たり方や見る角度によって印象が変わりそう。高級感を感じるほどではないものの特に悪い印象は受けなかった。そもそも手元にはここから生えているスイッチだけあればよくこの本体そのものは見える場所に設置する必要はないのだけれども。

ちなみに電源アダプタはこれより一回り小さいもののそこそこ存在感があるのでちょっと置き場所に困りそう。

ケーブルの半分は付属品ではなくもともと持ってた短いもの

電源を入れて数時間経ってもよくある Thunderbolt ハブとかみたいに本体が高温になる感じはしなかった。そこそこ高価なので 5 年は壊れないことを期待したい。

磁石でくっつくボタン

まったく落ちる気配なし

ボタンは裏面が磁石でくっつくようになっている。なかなか強い磁力で、軽くケーブルを引っ張ったぐらいでは落ちる気配がない。机が金属製の天板であれば裏面にくっつける使い方ができそうだ。自分は机の上に金属製のモニタスタンドを置いているのでその裏面にくっつけることにした。

前回の記事の USB スイッチャよりもボタンの押し心地はしっかりしていて、押し込んで凹ませる瞬間も部品同士の隙間を感じさせずまっすぐ奥まで入って戻ってくる。さらに全体をマグネットで固定した状態でもぐらつきを感じない。一日何度も押すのでこの感触は重要である。いい感じ 👍

ただし分解しにくそうなので使い込むうちに接触不良が発生しないことを願う。いくら本体の耐久性が高くてもこれが機能しないと意味ないからね。

切り替え

ひとまず試す。ちゃんと切り替わって一安心。

本製品は単純な抜き差しをシミュレートするものであり切り替わりはそこまで高速ではなくボタンを押してから実際に表示が切り替わるまでには数秒待たされる。とはいえ USB だけのスイッチャを使ってディスプレイ入力を手動で切り替えてたこれまでよりは圧倒的に楽だし、たまに片方の切り替えを忘れてキーボードとディスプレイの表示内容が一致しないストレスから解放されたのは大きい。

「一瞬で」とまではいかない

本製品を選択した前提として、個人的には DisplayPort の映像出力ポートを備えていることが重要だった。実は職場のディスプレイは以前記事にしたゲーミングディスプレイと同製品(→ 2023.3.15)で、DisplayPort 接続だと 160 Hz いける。そこが HDMI 接続では 90 Hz に制限されてしまうためだ。

本製品の Amazon ページの説明文には「最大4K@60Hzの解像度を楽しめます」とある。はたして直接接続時と同じように 3440x1440 を 160 Hz で表示できるのだろうか。

結論から言うとできなかった。

  • USB-C の Mac mini:144 Hz までしか選択肢に出てこなくなった。個人的にはそれで十分で問題なくヌルヌル動いている。
  • DisplayPort の Windows PC:160 Hz まで選択肢が出るものの 100 Hz まで下げないと映像がちらついてときどきブラックアウトする。本機と PC の間は付属ケーブルでの接続。

最大性能を引き出せない原因は使用した DisplayPort ケーブルのバージョンや品質なのかもしれないが、ひとまずこれまでとほぼ同等の表示1ができているため十分に快適だ。

よく「DisplayPort の仕様で抜き差しするとウィンドウの配置がリセットされる」と言われている。それは OS 側の問題で Windows 11 で対策されたらしく、自分の環境ではリセットされずに済んでる。

5 Gbps の用途

マウス&キーボード用の USB 2.0 ポートに加えいくつかの USB ポートは 5 Gbps までいける仕様となっているが、個人的にはその速度のものでディスプレイの切り替えと同時に挿し替えたい周辺機器が思いつかなかった。処理中に SSD が接続解除されても困るし…

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ひとまず買ってよかったと思ってる。日常の手間が省略される製品は直接的に生活を改善してる感じがしていいですね。


  1. このディスプレイには DisplayPort ポート(ポートポート!)が一つしかないため片方の PC は HDMI 接続するしかなく 90 Hz で使っていた。 ↩︎

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