机の上の白黒液晶ガジェットを作ろう:完成編
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構想編(→ 2015.8.28)から続くこのシリーズも最後。前回のソフトウェア作成編(2016.2.20)で CALayer を表示する仕組みができたのであとはひたすら楽しい作業。いろいろなものを表示させてみよう。
時計
机の上のガジェットとしてはまず時計でしょう。白黒液晶を使った卓上時計なんて数え切れないほどあるけど、ほとんどは 7 セグメント(日の字)や荒いドットを並べて数字を表示している。400 × 240 px の解像度で作る卓上時計なんて贅沢な話だ。
いい感じになった。秒針は遅れずに動いているし、針の先の丸みすら表現できている。
ただしこの液晶は白と黒のみで中間色は表示できないという弱点があった。白と黒を高速に点滅させて階調を表現する方法もあると聞いたけど Chibimo そのままでは無理なので、初代 Macintosh を思い出すような昔ながらの方法(市松模様)でカバーした。これでも高い解像度のおかげでグレーに見える。
↑ バッテリーを持った Mac の場合はその情報も表示(右上)。Mac と直接つながっているのでやろうと思えばなんでも表示できる。例えば入力モードとか。JIS キーボードのかな/英数キーを使っているので追加しなかったけど、人によっては便利そう。
これは backspace.fm #118 で語られていた「メニューバー/タスクバーを隠すと ◯◯ が見えない問題」に対する個人的な解決策でもある。自分はメニューバーを隠す設定にはしていないけど Lion 以降はフルスクリーン表示にすると隠れてしまうこともあり「いつでもそこにある安心感」が薄くなったのは感じていた。時間を見るだけでもカーソルを上まで持っていく必要があるし面倒。これならたとえディスプレイがスリープしていたとしても「いつでもそこにある」のだ。
曲情報
iTunes で再生している曲の情報を表示。そもそもこれをやりたくて作り始めたのである。
↑ 完全に昔の iPod そのままだけど、売ったり配ったりせず自分しか使わないからいいのだ。さらに最下部にはコメントを表示。昔から演奏メンバーをコメントに記入しているのでとても役にたつ。
↑ 長すぎる曲名だって自動でするするとスクロールしてくれる。Core Animation で作ったおかげで簡単に実装できた。
↑ 二時間半を超える(!)長時間の Podcast を聴いていても一目で残り時間がわかって便利。
ただし日本語部分がちょっとひどい。昔の白黒液晶 iPod よりずっと解像度が高いから読みやすいかと思いきや逆だった。ここまで描画サイズが大きくなるとフォントにビットマップが用意されていない。それなのに中間色が表示できないからアンチエイリアスも使えず逆に汚くなってしまうのだ。テキスト部分だけ解像度を落としたほうがかえっていい結果になるかもしれない。
CPU モニタ
ずっと Mac を起動して重い作業を続けていると余裕がなくなってくる。そんなときは CPU 使用率や swapfile の数が再起動の目安になるのだ。
↑ オタクの夢(?)なアクティビティモニタ。control キーを押している間だけ表示される。単純に「働いてるなぁ」と見てるだけでも楽しい。機械式時計の内部を覗いているような感覚に近いかも。
まとめ
作っていてこれまでになく楽しかった。Apple やユーザに対する配慮をしなくていいので身軽になった気分。審査とかガイドライン関係なくただ欲しい機能を欲しい形で実装できる幸せ。
半田付けのときはどうなることかと思ったけど、最初にやりたかったことはすべて実現できたので満足。今でも机の上でいい感じに動いています。
(ちなみにシャープがあんな状況だからこの液晶はいつまで手に入るのか怪しい。作りたい人はお早めに...)
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