可動式パームレスト v2 を作ろう
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“可動式パームレスト”を覚えているだろうか。両腕を左右対称に保ちながら、タイピング & マウス操作という 2 つのホームポジションを行き来することができる装置だ。(→ 2018.2.24)
アイデアを形にしてみて確かに実用性を感じたものの、いくつか不満を覚える箇所があった。ソフトウェア/ハードウェア問わず、作ってみないと見えない部分があるのは当然なこと。そのフィードバックを活かして改良版を作ろう!
初代からのフィードバック
初代で感じた問題点は以下の通り:
- 一「場所をとりすぎる」
- 試作ということもあり必要以上に長いレール(650 mm)を採用していた。この使用感からいくと 500 mm もあれば十分だろう。
- 二「スライドが引っかかる」
- 押さえつけながら動かすとスムーズになるので、必要以上に高荷重を前提としたレールを採用してしまったのが敗因のようだ。
- 三「部屋に馴染まない」
- 未完成感あふれる見た目が怖い。硬くて鋭いレールの両端がむき出しだし。触っても痛くないように先端を木工用ボンドで丸くしていたけれども、そういう問題ではない。
リニアガイド
一、二については短めのレールで滑らかに動くリニアガイドを選定すれば解決だろう。
前回のものは“Pulton ローラーパック R40-650L”である。40 がレールの幅、650 が長さを示している。低荷重用でより幅の狭い R25 というバリエーションがあるので“R25-480L”を採用することにする。
触ってみると、R40 より明らかにヌルヌル動く。引っかかりもない。これは期待できそう...!
埋め込み
三は前作“MacBook Pro が冷えて薄くなるスタンド”(→ 2019.8.18)で正解を見つけた。木の板に溝を掘ってレールを埋め込むことで圧迫感が減り、机や部屋に溶け込むはずだ。
溝を作るには...トリマを持ってないので、またしても鑿を使って手作業で掘るしかない。
掘らなければいけない体積が見た目以上に多くて溝一本に半日かかったけれどもなんとか掘ったぞ。レールをはめてみよう。
ほら、レールの存在感が緩和された!
キーボードを乗せて滑り具合を確認:
これはいけるのではないか。
一本だけで疲れてしまったので二本目は別の日に掘った 🥵
完成
その後、初代と同様にレールに乗せる木材の固定と塗装。完成だ!
部屋に置いたときの違和感が減ったし、動作も初代より圧倒的にスムーズ。わざわざ作り直した甲斐があったものだ。
左手の連結部だけはあえて透明な素材を使用したら原理不明な感じに。木材と金属で構成されている全体とのギャップのせいか何も存在しないように感じてしまう。以前も書いたけどほとんどの角度から薄く見える iMac みたいにこういう錯覚が好きだ。積極的に騙されたい。
次なる野望
こうして完成した“可動式パームレスト v2”だけど、机に置いて使っているうちに余計なことを考えてしまった。「もうこれだけあれば下の机なんていらないよね。単体で宙に浮いていてほしい...!」
次回(→ 2020.5.2)に続く。
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