六角大王 Super の思い出
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セルシスに譲渡されてからもうずいぶんとバージョンアップされずに安売りが続いていた六角大王 Super の販売がついに終了したらしい。
普段はこんな時事ネタをいちいち記事にしないけど、自分はバージョン 1 から使っていたし1、以前ちらっと書いたように(→ 2018.1.1)3D を触ってみたくて手に入れた Mac で初めて使い方を覚えたアプリケーションだったので特別な存在なのである。
「当たり前」が通用する操作感
3D ソフトってほかのジャンルに比べるとどれも OS 標準の操作方法から外れた変なクセがあって触るときは頭を切り替える必要がある印象だけど、これはとにかく素直な使い心地。スクリーン上には Photoshop っぽい縦長のツールパレットがあって、図形のツールならドラッグした大きさで図形を生成できるし option を押しながら矢印ツールでオブジェクトをドラッグすれば複製。最下部からカラーを選択して塗りつぶしツールを使えばクリックしたオブジェクトが着色できる2。そういう「当たり前」が通用する貴重な存在だったのである。
当初はレンダリングの機能すらなかったもののモデリングだけで十分に遊べたし、質感にこだわりたいときは POV-Ray に書き出してよくわからないながらもパラメータをいじっていた思い出がある3。
Mac OS とともに
Classic Mac OS から始まり、バージョン 3 からは OS X にも対応。QuickDraw 3D ベースな描画が途中から OpenGL になったりと Mac OS の歴史も反映しながら進化してきた。新バージョンが出ると Windows 版よりも Mac 版の方が発売が早いなど Mac ユーザが優遇されていた感じがあったのだけど、2006 年ごろになると CPU の Intel 移行や 64 bit Carbon 提供中止などプラットフォームとしての大きな変化が重なりバージョン 5 からは Windows 版しかリリースされなくなってしまう。
たまに触りたくなる
Mac 版が終了し Rosetta も使えなくなる頃にはアプリケーションを触る機会が減り自分は 3D から離れていたけど、最近になってコミュニティで開発されている Blender が大がかりな変更を重ねて見違えるように使いやすくなってきたからまたこの世界に興味が出ている。
とはいえいくらほかのソフトがよくなっても、六角大王 Super のモデリングの気持ちよさは唯一無二。頭を空っぽにしながらおおざっぱな形状を作るにはこれしか考えられなくてたまに触りたくなる...! 大丈夫、Panther や Tiger が動く古い Mac はこれのために残してあるし、最終版の 6 が動く Windows 仮想環境だって整備済みだ。これからも長く付き合っていきたい。
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