手元が浮遊する生活 - つくえのうえ 2020 初夏
- Apple
- ハードウェア
- 作業環境
- DIY
久々に机記事を書こう。机記事といえばなんだかケーブルを隠すことに徹した“デスクをすっきりさせる”勢力が盛り上がっているけど、zumuya ではあくまでも独自路線を貫くのである1。
さて、前回の記事で“可動式パームレスト v2”が完成して(→ 2020.4.29)最後にこんなことを書いていたけど、果たしてどうなったのか...
こうして完成した“可動式パームレスト v2”だけど、机に置いて使っているうちに余計なことを考えてしまった。「もうこれだけあれば下の机なんていらないよね。単体で宙に浮いていてほしい...!」
百聞より一見。今回はビデオを作ったので観てほしい:
全体像はこんな感じだ:
Asus 32 インチ 4K ディスプレイ
実は数ヶ月前にディスプレイを買っていた。初めは有機 EL テレビを買おうかと思っていたのだけど、それをやめて質のいい 1 枚のディスプレイを買えば PC 作業/映像鑑賞/ゲームというあらゆる用途をカバーしつつ品質を向上できるのではないかと考えたためだ。省スペースで済むし。あえて型番は書かないけどとてもいいディスプレイ2を手に入れた...
自分には完全にオーバスペックであり表示品質は申し分ないのだけど、さすがに 32 インチともなると HiDPI 200% ではだいぶドットの粗さと間延び感が目立つ3。Mojave で廃止されたテキストのサブピクセルレンダリングも defaults write
で復活させてしまった。遠くに置けば 27 インチと同じ感覚で使えるのだけれども。
考えてみれば、ほどほどの大きさのウインドウに配置された UI 部品を触りながら細かい作業をするのとフルスクリーンで迫力を感じながら映画鑑賞やゲームをするとき、リラックスしながらぼーっと YouTube を眺めるときの距離や姿勢が同じはずがない。多用途をカバーするのであれば、ここは柔軟に変化できる必要があるのでは? ...それがパームレストを浮かせる理由に繋がったのである。
宙に浮く可動式パームレスト v2
そんなわけで作ったばかりの可動式パームレスト v2 を浮かせることに。
使ったのは Ergotron の LX アーム。もちろんこれは本来ディスプレイ用の製品なので完全に自己責任な使い方だけど、安定性に評判があるだけあってパームレスト一式と腕を乗せるぐらいでは意図せず下がることもないし、それでいて動かしたいときには上下前後左右のどちらにもスムーズに動いてくれる4。実は Ergotron 自身も似たような構造のキーボード用アームを出しているぐらいだしそんなに変な使い方ではない気もしている:
LX シリーズは気に入っていて何より何年も同じ規格で統一されているから安心してアーム(OEM 版含む)やエクステンションをいくつも買い足しているのだけど、今回は最近追加されたらしい新色のホワイトを選んでみた。それがなんだかすごくかわいい! メカメカしいこれまでとは全然違うポップな雰囲気で土台を置いても圧迫感がない。考えてみれば白い机ばかり使っている自分の環境にはとても相性がいいようだ。これまでの手持ちもすべてホワイトに交換してほしいぐらい。
この製品、数年前はたくさんパーツが入っていて使うまでに気合が必要だったのだけど、リニューアルされたのか組み立て済みの土台が出てきたので設置が早い。よく見ると梱包箱もコンパクトになってた5。
狭い面積で横長の木板を支えるのは若干の不安があったので VESA マウントのサイズを一回り大きく変換するアダプタを装着してから固定している。木材はアイデアを簡単に形にできるからいいですね。
さて、浮かせた感想はどうかというと、...最高!
冒頭のビデオにもあるように宙に浮かせることであらゆる姿勢の違いを吸収できるようになった。前のめりで作業していても疲れてシートを倒しても常に快適な位置にキーボードが存在してくれる。これは可動式パームレストで両手が動くことよりも効果が大きいかもしれない。作業中に自由に姿勢を変えられることで集中力も明らかに上がった。本来の使い方と違うのでオススメはできないけどいいなこれ。
みんなスタンディングデスクで上下させることを考えるばかりでどうしてこういう方向にも目を向けないのか不思議になる。
MacBook Pro が冷えて薄くなるスタンド
冒頭のビデオで序盤からフィーチャしているように、以前作った“MacBook Pro が冷えて薄くなるスタンド”(→ 2019.8.18)は相変わらず活躍している。
MacBook Pro のフタを閉じて使うようになったから必要性がなくなったかと思いきや、むしろフタを閉じて熱がこもりやすくなったから巨大フィンの冷却効果を実感する日々だ。背面に置いているのは大きめのファンなのでほぼ無音で稼働できる。もちろんビデオのエンコーディングとかするとうるさい MacBook Pro 内蔵ファンが回るのだけど、筐体全体が熱くならないことでバッテリー劣化が抑えられそうなのは大きいと思う。
MacBook Pro が MacBook Air 並みに薄くなる効果も地味にいいよ... 本当に。
CalDigit TS3 Plus
CalDigit の Thunderbolt 3 Dock である TS3 Plus(→ 2019.8.17)も引き続き愛用中。MacBook Pro にケーブルを 1 本接続するだけですべてがつながる快適な生活を送っている。
机に置くと場所をとるから自己責任で USB Super Drive とともに両面テープで机天板の裏側に貼り付けてしまった。おかげで SD カードやケーブルの抜き差しが片手でできるようになったのもメリット。
とはいえ冬に触ると冷たくて困るぐらい熱伝導性のいい天板だからまだいいものの木の天板の人は絶対にやらない方がよさそうな運用ではある。念のため間に何か挟もうかな。
こうやって Mac と周辺機器を机に固定しつつ操作部だけが独立して浮遊するようになったおかげで以前書いた「Mac ではなく机が母艦」(→ 2018.2.18)という感覚がより強くなったのを感じる。机の使い方を極めていたはずなのに、机が机ではなくなってしまった...
おまけ:両面テープ
机にいろいろ貼り付けるために愛用している両面テープはこれ:
強力でありながら剥がせるなんてどういうことだろうと不思議に思ったが、剥がすときは横からをカッターで切って二面に分離させてからそれぞれに残ったテープを指で剥がすという方式だった。実際に何度か剥がしてみたけどきれいに剥がれるのを確認してる。
-
机をすっきりさせることに生きがいを感じていた時代もあったのだけれども。(→ 2012.7.30) ↩︎
-
あの Pro Display XDR みたいに mini LED を採用している、とてもいいディスプレイ。おかげで昨年末から金欠である 💸 ↩︎
-
かといって作業領域が広すぎるのは苦手だというのは以前書いた通り。(→ 2016.4.15) ↩︎
-
ビデオでギシギシ言ってるのはイスです 😕 ↩︎
-
実際にはその代償として机天板の穴を使うグロメットマウント用の金具が別売になっていたり。使う人が少なかったのかもしれないけど自分はディスプレイ用に使っているのでこれが最初の 1 台だったら困ってたかも。 ↩︎
Share
リンクも共有もお気軽に。記事を書くモチベーションの向上に役立てます。